設備投資は購入か、それともリースか?

設備投資をする際、購入かリースかどちらが良いのか

私の会社では購入とリースを併用しています。

会社はその時々で利益が出ているときもあれば、出ていない時もあります。

また、銀行から融資を受けやすいとき、受けにくいときもあります。

経理担当者は様々な状況下でどちらを選択するのが良いかを判断し、経営者に助言しなければなりません。

そんな時の考え方について、メリットとデメリットを整理してみました。

購入のメリット

自己資金で購入する場合、設備の所有権が自社となり、長く使うほど費用対効果が大きくなり割安となります。

自己所有なので、移動が自由にでき、不要になれば売却することもできます。

購入した設備は、減価償却によって法定耐用年数の期間をかけて費用計上していきます(減価償却資産の計算方法についてはこちらを確認ください)。

資産として購入したものを経費として計上できるので、利益が多く出ている際に設備投資を行えば節税効果が期待できます。

また、10万円未満であれば取得年度に全額費用計上、10万円以上20万円未満であれば3年間で3分の1ずつ費用計上することができますので設備投資のタイミングはよく考えて行うようにしましょう。

購入のデメリット

自己資金で購入する場合、最初に多くのキャッシュが必要となり一時的に手持資金が減少します

手持資金がなく、銀行から借入して購入する場合は金利負担も考えなければなりません。

購入後には、減価償却の計算、償却資産税の申告など、固定資産管理の事務負担があります

リースのメリット

設備投資をリースで行うと、購入と比較して初期費用を少額に抑えることができます。

毎月のリース料負担も少額で済みますし、リース料全額を費用として計上することができます。

また、費用負担が平準化され把握しやすくなるため、収支への影響を最小限にすることができます。

手持資金が少なく、銀行からの借入が難しいといった状況でも設備投資が可能です。

リース期間が満了すれば、新しい機種へ乗り換えも容易に行えますので、設備が陳腐化することを防ぐことができます。

リースのデメリット

一般的な所有権の移転しないファイナンスリースの場合、中途解約することができません

正確には中途解約はできるのですが、未経過のリース料残額を精算することになるので中途解約してもメリットがありません。

また、リース料には設備本体価格のほかに、保険料、固定資産税、金利などが含まれますので、支払い総額は購入よりも割高となります

所有権がリース会社にあるため、リース期間満了後はリース会社に返却するか、引き続き使用する場合は再リース料を支払うことになり、長く使うとさらに割高となります。

また、リース資産を識別して管理をしておかないと、使っていない資産のリース料を払い続けたり、うっかり売却・廃棄したりしてしまうと、ペナルティーが発生する場合もありますので気をつける必要があります。

まとめ

購入とリースそれぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。

経理担当者は、会社の状況に合わせ、購入とリースのどちらが有利かを判断しなければなりません。

うちの会社は現金主義で設備投資は全て購入するので、リースは使わないと決めてしまうのもひとつかもしれません。

しかし、不景気で先行きが不透明な時は手持資金を厚くしておきたいので、リースでキャッシュアウトを抑えつつ様子を見るなど、柔軟に対応していくことが安定した経営に寄与するのではないでしょうか。

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経理

Posted by M部長