管理部門で働くうえで持っておくと良い資格は?
中小企業と一口に言っても10人未満の小規模企業から数百人規模の中堅企業まで、人によって思い浮かべる規模に違いがあるでしょう。
当然、企業の規模や業種によって管理部門において求められる知識やスキルのレベルは違ってきます。
保有している能力を客観的に分かりやすくしてくれるのが資格ですが、採用面接で評価してもらえると思う資格についてまとめてみました。
あくまでも採用時での評価であり、働く中での評価は資格よりも貢献度や結果が重視されると思います。
経理で働くならこの資格
〇日商簿記検定
経理で仕事をするうえで最もメジャーな資格が簿記でしょう。
経理部門だけでなく、財務諸表を理解したり、経営管理を理解したり、ビジネスをするうえで最低限の知識と言えるものも多く、勉強している人が多い資格でしょう。
2級を取得していれば未経験でも経理職への道が開けるでしょうし、どの規模の会社でも十分実務でやっていけるレベルだと思います。
さらに上の1級の取得を目指してもよいですが、企業規模によってはオーバースペックとなってしまう可能性もあります。
仕事は資格でするものではありませんし、社会人は勉強に没頭できる時間も限られていますので自身の職場レベルと相談しながら勉強時間を取るようにしましょう。
もちろん上を目指すことは悪いことではありませんので、頑張れる人は目指してみてもよいでしょう。
○給与計算実務能力検定
給与計算はどんな会社にもある業務のひとつです。
その給与計算に関する資格が給与計算実務能力検定です。
給与計算実務における知識レベルを図るのに適した資格であり、所得税や社会保険など幅広い範囲をカバーしていますので実務で活用できる資格です。
さらに上を目指すなら社会保険労務士がありますが、そのステップアップとして取得するのも良いと思います。
○その他の経理系の資格
- ビジネス会計検定
- FASS(経理・財務スキル検定)
- PASS(経理事務パスポート検定)
- 税理士
- 公認会計士
- ファイナンシャルプランナー
それぞれに特徴がありますので、今の職場にあったものを選んで勉強してみるのが良いでしょう。
総務・人事で働くならこの資格
○社会保険労務士
バックオフィス系の資格で断トツの人気と知名度があるのが社会保険労務士でしょう。
特に最近は長時間労働の是正、働き方改革など、労働問題に関してクローズアップされる機会も多くなってきています。
専門の知識・経験を持っていないと解決が難しくなるほど労働問題は複雑化してきていますので、社会保険労務士の有資格者の活躍する場は今後ますます増えてくるのではないでしょうか。
難関資格ということもあり、取得までの時間とコストはそれなりの覚悟が必要ですし、小規模企業だと資格知識がオーバースペックとなってしまい逆に評価しにくいかもしれません。
独立開業することも可能な資格なので、企業内有資格者として活用して収入を上げたいと考えているならば、それなりの規模の企業を目指すのが良いでしょう。
○衛生管理者
労働安全衛生法に基づき、50人以上が働く事業所では必ず衛生管理者を選任しなければなりませんので、資格保有者は重宝されるでしょう。
企業規模が大きくなってくれば必ず衛生管理者は必要になります。
1種と2種があり、1種は全ての業種、第2種では有害業務が伴わない金融・小売・情報通信といった業種に限定されますので、自身の勤める業種に合わせて取得を検討しましょう。
健康経営が重要視されつつある今、企業の衛生管理の問題点を改善し、働きやすい職場環境を整備する衛生管理者の重要性は今後も上がってくると思います。
○メンタルヘルス・マネジメント検定
うつ病に代表される職場における心の病は増加傾向にあり、社員の心のケアに対する重要性は高まっています。
それに対応するための有資格者としてメンタルヘルス・マネジメント検定があります。
健康経営に対する関心の高まりと、社員に長く安定して働いてもらうために、社員ひとりひとりに対するきめ細かいケアは、今後ますます必要となってくる可能性があります。
人事系で働く方は持っておくと良い資格のひとつだと思います。
〇その他の総務・人事系の資格
- キャリアコンサルタント
- 中小企業診断士
- ビジネス実務法務検定
資格を取ることが目的にならないように
資格は自己啓発としても有益ですし、就職・転職においては客観的な評価指標になりますので持っていて損することはありません。
しかし、仕事は資格でするものではありませんので、資格取得に時間と労力を奪われてしまい、目の前の仕事が疎かになることのないよう注意しましょう。
与えられたミッションをクリアするためのツールとして資格の有用性は疑いの余地はありませんが、仕事上の評価はむしろ社業への貢献度と成果で決まります。
資格は、あくまでも目指す自分になるためのツールであり、ゴールではないということを忘れないようにしましょう。