ブックレビュー【アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学】

2020年11月16日

この書籍は、私が今の職場で部長とそれ以外の部下たちと構図で孤立してしまったときに、なんとかしたいと思い書店に足を運んだ際に手にとったものです。

ベストセラーの「嫌われる勇気」をすでに読まれている方や、アドラー心理学をより突っ込んだ形で学びたい方にとっては内容が薄く感じられるかもしれません。

アドラー心理学の初学者や、職場での人間関係、コミュニケーションの取り方で悩まれている方には十分参考になる良書だと思います。

アドラー心理学の考え方をベースに、「職場」という環境での「コミュニケーション」の取り方について具体的に解説してくれています。

職場での具体的な場面を想定して例示されていますので、わざとらしくも実践しやすいように思います。

私自身も、とにかく部下とのコミュニケーションをどのように取ればこの状況を打開できるのか悩んでいたときで、まだアドラーのことも全く知りませんでした。

この書籍の前著に「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」もあるのですが、当時は育成というよりも有効なコミュニケーション手段はないかと探していたのでこちらを手にとりました。

それまでの私は上司としてどうすべきか、どうあるべきか、自分の考えをどう伝えるか、どう理解させるかという一方通行のコミュニケーションを取っていたように思います。

話をするのは嫌いではないし、伝える能力が低いわけでもないので、部下と意思疎通が図れてないわけではなかったと思います。

恐らくですが、欠けていたのは部下への尊敬と信頼だったと思います。

会話がなかったわけではありませんが、部下に興味がなかったかもしれません。

「相互信頼」「相互尊敬」といった概念でコミュニケーションをとっていませんでしたので、特に意識して実践するようにしました。

「クッション言葉」や「アイメッセージ」といったことも意識して実践するようにしました。

「課題の分離」についてもこの本で学びました。

内容的にはアドラー心理学の本というよりも、職場コミュニケーションの取り方の例示本です。

それも難しいものではなく、少し意識すれば普段なにげなく使っていけるものばかりです。

今まで自分自身に足りていなかったものが何かを教えてくれた気がして、これ以降、もう少しアドラー心理学を知りたいと思うきっかけをくれた書籍です。

広告