仕事環境に恵まれていないと感じている人は、ここが私を最も成長させてくる場所だと考えよう
挫折
多様化、個性の時代と言われるようになり、インターネットが普及したおかげで、ひと昔前だと得ることができなかったローカルでニッチな情報も足を運ぶことなく簡単に手に入れられるようになりました。
そのおかげで仕事選びや就職先探しも同じく大きく変わりました。知名度のある都市部の大企業に応募者が集まる時代から、地方でも個性的で魅力ある中小企業を就職先として選ぶことが出来る時代になりました。
私が新卒で入社した銀行時代、営業担当者として中小企業の経営者や経理担当者の話を聞く機会が多くあり、大企業ほど恵まれていないのですが、確かに楽しそうに仕事をしている方が多いように感じました。就職活動では、このような優良な中小企業の情報を得る手段がほとんどなかったので新鮮でした。
そんな彼らと対照的に、大企業のどちらかと言えば恵まれた環境で仕事をしながらも、その歯車としてどことなく不自由な感覚で仕事を続けていることに精神的に疲れていき、苦労して入社した会社を辞めたくないという葛藤もありましたが、結果として4年で退職するに至りました。
振り返れば、銀行を退職したことは人生において大きな挫折だったように思います。
しかし、銀行では、社会人としてのビジネスマナー、仕事の進め方、人間関係、経済、商売、など多くの経験を通じて勉強させてもらいました。特に新卒間もない担当者の商談相手がほとんど経営者であるという経験は、銀行以外で経験できるものではなく、その後のキャリアに大きな影響を与えてくれました。
中小企業で働くということ
しかし、そんな銀行よりも私を成長させてくれた場所は、転職先として選んだ社員100名ほどのメーカーでの総務経理職でした。
上司1名、同僚1名。
オンリーワンの高い技術力を持ち、海外の有名企業とも取引がある個性的な会社でしたが、銀行の恵まれた環境と比較すれば「ヒト・モノ・カネ」全てが足りていませんでした。
初めは、その落差にとても戸惑いましたが、経営者に近いポジションで仕事をすることで経営を実感することができ、無いものは自分で形にしていくことでスキルが上がり、作ったものを実際に社内で機能させていく、自分の成長と会社の成長がリンクしていくことを実感することができる職場でした。
偶然にも次世代の管理部門を担う若手として、いろいろとチャレンジさせていただける環境があったことも幸いし、銀行時代のような与えられた仕事をやるのではなく、必要なことを自ら考えてやっていくことの楽しさを感じる非常に濃い時間を過ごさせていただきました。
大企業と中小企業のどちらで働くのが幸せなのかはそれぞれの価値観によるところですが、どちらが自分の力をより発揮できる環境なのかというのを、両方経験したことで気づくことができたのは私にとっては大きな財産だったと思います。
環境が人を育てる
例え今の仕事環境が恵まれていなかったとしても、自分を成長させてくれるチャンスと捉えて目の前の仕事に精一杯取り組んでみましょう。こんな環境でもここまでやれたという自信とともに間違いなくスキルは上がっているはずです。
その経験値を持って次の新しい仕事にチャレンジしていくことは可能です。
環境が悪い、上司が悪い、会社が悪い、と他責にしていても何も生まれません。そう感じているならば少しでもそこから抜け出せるよう努力することが、結果として次につながります。
ただ漫然と過ごしてしまって、嫌になったから辞めて次に行くということでは決してキャリアアップはできないでしょう。
恵まれていない環境だからこそ、自分自身の成長につながるはずです。