あなたの会社の健康診断の施策は大丈夫ですか?
会社の実施する健康診断を受けていますか?
先日、健康診断の結果が返ってきました。
40歳を超えると経過観察の項目が複数あって健康状態に問題なしというわけにもいかなくなってきました。
まずは運動不足から解消しなければ・・・。
健康は働く人すべてにとってとても大切なものですが、管理部門として企業の守るべき従業員の健康について、企業側と従業員側の二つの視点で考えてみました。
健康診断の実施は企業の義務
企業は従業員に対して健康診断を実施することが「労働安全衛生法」で義務付けられています。
もし、皆さんの会社が健康診断を実施していなければ違法となりますので直ちに実施するようにしましょう。
協会けんぽであれば各都道府県の協会けんぽのホームページ上で実施の仕方や費用について確認できます。
組合健保や共済組合の場合は、それぞれ事務局に問い合わせて確認してください。
健康診断の種類
企業の実施する健康診断には「一般健康診断」と「特殊健康診断」がありますが、ここでは職種に関係なくどこの企業でも実施される「一般健康診断」について説明します。
「一般健康診断」には「雇い入れ時健康診断」と「1年に1回の定期健康診断」があります。
検査項目の内容などは、ほとんど同じものになります。
対象となる従業員
健康診断の対象としては、正社員は全員となります。
パート社員やアルバイトは、正社員の労働時間の4分の3以上勤務している場合が対象となります。
費用負担について
健康診断の費用は通常は企業が負担すべきと考えられており、全社員が対象であれば経費として計上することができます。
一部の役員だけが高額な人間ドックなどを受診した場合は経費として認められません。
私自身、過去の税務調査の際に社長が人間ドック費用を経費精算に回していたため、指摘されて経費否認されたことがありますので注意しましょう。
受診する医療機関への移動に要した交通費についても費用とすることができますので、企業が負担してあげたほうが受診率の向上につながるでしょう。
私の会社では公共交通機関を利用の場合に限って精算しています。
健康診断の受診に要した時間の扱い
健康診断の受診の要した時間がですが、これは当然に労働時間となるものではないとされており、どのように扱うかを労使双方で協議して決めることが推奨されています。
一般的に、所定労働時間に実施した場合は、労働時間として扱ったほうが従業員も受診しやすいでしょう。
所定労働時間外の業務終了後や休日などに実施した場合は、これを労働時間とする必要はないでしょう。
私の会社でも同じようにしています。
健康診断の結果について
健康診断の結果については、本人への通知と保存義務が定められていますので忘れず本人に通知して控えは保管するようにしましょう。
できれば、健診結果で「要精密検査」や「要治療」の項目があった従業員に対しては、放置することなく再受診するよう勧奨しましょう。
また、常時50人以上(パート社員を含む)の事業所においては「定期健康診断結果報告書」を所轄の労働基準監督署へ提出することも忘れないようにしましょう。
受診を拒否する従業員の扱い
「労働安全衛生法」に、企業は健康診断を受診させる義務がありますが、同時に従業員も健康診断を受診する義務があると定められています。
「自分の体のことは自分が一番分かっている」「忙しくて受診する暇がない」などと言って、健康診断を受診しない従業員がまれにいます。
もし、あなたがそうなら正常に業務遂行できる健康状態であることを会社に証明するためにも必ず受診するようにしましょう。
企業は、このような従業員を放置してしまうと罰せられることになりますので、再三の受診指示にも従わないようであれば懲戒処分も検討しましょう。
就業規則に明記しよう
以上、健康診断に関わるルールについては、できるだけ就業規則上に明記してください。
特に懲戒処分などは、具体的に就業規則に明記しておくほうが無用な労使間トラブルを防ぐことができます。
まとめ
- 健康診断は、企業と従業員の双方の義務
- 対象者は正社員と正社員の4分の3以上勤務するパート・アルバイト
- 健診費用は、企業負担が望ましい
- 健診に要した時間は労働時間ではないが、労働時間中の実施が望ましい
- 健診結果は本人に通知しなければならない
- 健診結果は保存義務があり、50人以上の事業所は労働基準監督署へ届出しなければならない
- 受診拒否の従業員には懲戒処分の可能性あり
- 労使双方で確認した内容は就業規則に明記
健康診断は、企業としての義務を果たすと同時に福利厚生とも直結しますので、法定プラスアルファの施策も一緒に考えて受診率を向上させましょう。
目指せ、受診率100%!