従業員の予防接種を会社経費にするには?
BCP対策としての予防接種
毎年の冬になると季節性インフルエンザや新型コロナウィルス感染症などの流行が気になります。
厚生労働省も予防接種の啓蒙に力を入れていますが、それでも流行するときは爆発的に流行します。
もし従業員がインフルエンザにかかると約1週間は休まなければならなくなります。
人員ぎりぎりで回している企業であれば、BCP対策としてインフルエンザの予防接種を会社負担として推奨し、罹患リスクを少しでも抑えるよう考えるべきでしょう。
今回は、予防接種の費用を会社経費として計上するための条件をまとめてみました。
会社費用とするための条件
予防接種代金が常識的な金額であれば、会社が全額負担でも一部負担でも福利厚生費として処理できるとされています。
どちらの場合でも一部の従業員だけでなく原則としてすべての従業員を対象とする必要があります。
業務継続に必要であり、不相当に高額ではなく、全従業員を対象とする。
以上の条件を満たせば会社経費として計上することが可能です。
なお、正社員ではなくパートやアルバイトであったとしても同じく条件を満たせば同様に経費として計上が可能です。
できれば対象となる社員について、就業規則や社内規定に明記しておくことをお勧めします。
予防接種の義務付けは慎重にしましょう
また、全従業員を対象とすることが条件となっていますが、会社が接種を義務付けたり強制したりすることは慎重にしましょう。
業種・職種によっては予防接種を義務付けたいと考える会社もあるでしょう。
しかし、予防接種にはアレルギーなどの副作用があることが広く知られており重症化すると命にかかわるようなこともあります。
接種を推奨する場合であっても最終的な判断は従業員に委ねるようにしましょう。
また、未接種の従業員を不利に扱うなどということが無いよう気をつけましょう。
経費計上の仕方
会社が負担した費用の勘定科目は「福利厚生費」として処理するのが一般的でしょう。
通常、医療にかかわる費用は非課税取引となりますが、予防接種は治療行為ではなく健康保険の対象外ですから消費税の課税取引となります。
よって、福利厚生費についても課税仕入として処理するのが良いでしょう。
予防接種は健康保険の適用外の「予防」行為になりますので価格設定が病院によって異なります。
2,000円から5,000円程度のところが多いため、できるだけ安い医療機関で受けてもらうため補助金額に上限を設けるのもひとつです。
これから予防接種の補助金制度を急ぎ整備したいと検討されているようでしたら参考にしてみてください。
まとめ
- インフルエンザ予防接種が業務上必要と考えられること
- 会社負担額は不相当に高額ではないこと
- 全従業員を対象とすること
- 会社負担が高額とならぬよう補助金額に上限をもうけること