業務改革を担当することになったら、それは終わりなき効率化との闘いの始まりです
管理部門はコストセンター
近年、ICTの発達による働き方改革の推進やAIを活用したRPA導入などで、人が必要ではなくなる仕事リストまでが出回るようになりました。
そのような中でバックオフィスの効率化はいつの時代においても言われ続けいます。
非生産部門(間接部門)である総務や経理はときにコストセンターと呼ばれ、常にコスト削減の対象として見られており、いつの時代も効率化による高いパフォーマンスを求められています。
管理部門で仕事を続けていく以上、この効率化との闘いは今後も続いていくことでしょう。
実際、私が10年ほど前に今の職場に転職してきたときは現在と比べ物にならないくらいアナログな業務フローを行っていたので、転職直後の数年はこの効率化と闘いでした。
ただ、当時の状況を決して悪く言っているわけではなく、10年以上勤めていたベテラン社員数人で夜遅くまで残業して、とても真面目に業務にあたっていたと思います。
では、なぜそんな非効率な状況になってしまっていたのでしょうか。
効率化を阻むもの
原因はいくつかあったように思います。
一つ目は業務量が増えたせいでキャパオーバーを起こし、日々の仕事に追われるようになっていたことです。
仕事に追われるようになると次第に余裕がなくなり、新しいことを導入しようとすると負荷が増すので、どうしてもチャレンジしたがらなくなります。そうして効率化を進めるうえで重要な情報を得る機会や気力を失っていたのです。
二つ目は、長年同じスタッフで変化なく業務を進めてきたために業務が属人化してしまっていたことです。向かいの席の人の仕事が分からなくなり、お互いに自分たちのやり方に疑問を持つことが無くなってしまい、結果として創意工夫や改善が生まれにくくなってしまっていました。
人事異動やジョブローテーションが必要な理由はここにあると思います。
三つ目は、経営者がその状態に対して抜本的対策ができずに時間だけが過ぎていたことです。
業務が増えて大変そうなのは分かるが、どうして良いかの具体策がなく、外部の専門家を頼るのですが、総務・経理・人事のすべての業務を担っていた管理部門を抜本的に解決できる専門家はなかなかいないので、経理のそれも会計ソフトだけ、勤怠管理のシステムだけ、といったようなツギハギのコンサルティングを受けたために、かえって混乱してしまっていました。
そこで管理部門を体系的に整理できる人材で内部から変えなければということになり、私がご縁を頂くこととなって改革に当たることになるのですが、これが長い闘いの幕開けでした。
社内で何か抜本的な改革を実施したいと思うのであれば、そのための「人材」を「社外」からではなく、必ず「社内」に置かなければならないと私は考えます。
「人材」は採用でも異動でも構わないと思いますが、何事も兼任でできるほど甘くはないと思います。
兼任や外部コンサルで解決するぐらいであれば、それほど困っていないということでしょう。
責任を明確にするためにもまずは担当者を置き取り組んでいくことが、改革の成功への一番の近道だと思います。