管理部門で働くのに向いている人・向いてない人【性格・スキル・価値観で分析】
管理部門の仕事に向いている人、向いていない人はいる?
管理部門の仕事は「会社の裏方」と言われることがあります。
ですが実際は、経営に関する情報や人事など、会社の中枢を支える重要な役割です。
そんな管理部門に、”向いている人”と”向いていない人”がはっきり分かれると私は思っています。
私の経験から、どんな人が管理部門に向いているのかを性格・スキル・価値観の面から解説してみたいと思います。
スキルよりも人物像が大切な理由
まずはじめに、管理部門の仕事が”できる”、”できない”ということと”向いている””向いていない”は同義ではないと思っています。
例えば、経理担当者は一般的に数字に強いというイメージがあると思いますが、それでは数字に強い人が経理に向いているかというと必ずしもそうとは言えません。
管理部門は、社内のセンシティブな情報を扱う部署です。
例えば、経理は一般社員よりも早く詳細に会社の数字つまり経営状況を知る立場にありますし、人事であれば自分以外の他の社員の給与額を知ることが出来る立場にあります。
もし、経理の担当者が経営状況をついうっかり社内外に話してしまうような人間であれば大きな問題です。
もし、人事の担当者が他の社員の給与額や人事評価内容を同じようにうっかり社内外に話してしまうようなことがあればこれもやはり問題です。
このような特性を持っているようであれば、たとえ簿記が出来ても、面接官が上手にできたとしても管理部門の仕事には向いていないと言えるでしょう。
管理部門で仕事をするうえで”誠実であること”は何よりも重要な要素だと私は考えています。
銀行時代に学んだ”資質”の本質
私が新卒で銀行に入社して間もないころ、まだ給与配金なる業務がありました。当時でも給与は口座振込が一般的でしたが、大手工務店では日雇い労働者に対して現金払いがありました。
その為、給与現金を取引先会社へ運ぶ業務がありました。1回に運ぶ金額が2,000万円を超えると行員2人で運ぶ決まりになっていたので、先輩行員に随行していたのですが「この札束が“お金”に見えるようなら銀行員に向いていないで」と言われました。多額の現金を目にするのが銀行員の日常であり、それに目がくらむような人間は不正に手を染めてしまう。そんな人間は銀行員に向いていないという戒めの意味でした。
これは仕事が出来る出来ない以前に、その人自身の資質の問題です。
経営者が管理部門に求めるのは「信用」より「信頼」
例え普段は経理らしくない、人事らしくないような面があったりする人物でも、善悪の分別がしっかりついており、信頼されるに足る人物であれば管理部門で長く働いていくことができるでしょう。
ビジネスの世界は基本的に”信用”で成り立っていますが、管理部門には”信頼”できる従業員に担ってほしいと経営者サイドも思っています。
”信用”は過去の実績に基づく評価であり、”信頼”は日々の行動や人間性から生まれてくるものです。
経営者が管理部門に求めるのは、まさにこの”信頼”なのです。
中小企業で「経理は社長の奥さんがやっている」なんていうのはよく聞く話ですが、これは明らかに”信用”ではなく”信頼”が勝っている典型的な例です。
まとめ
管理部門に向いているのは、
- 情報を新調に扱える誠実な人
- 数字や人のデータに対して冷静に向き合える人
- 信頼を積み重ねられる人
です。
どんなにスキルが高くても、誠実さを欠いているような人は信頼を得ることはできないでしょう。
逆に、真摯に仕事に向き合う姿勢があれば、信頼され重宝される存在になれるでしょう。
すでに管理部門で働いている方も、これから目指す方も、”常に誠実であれ”をモットーにしてみてはいかがでしょうか。

【執筆者紹介】
M部長|中小企業の管理部門役員。
都市銀行での法人営業を経て、メーカー・小売・サービス業など複数業界で総務・経理・経営企画を経験。
現職ではバックオフィス全般のマネジメントに従事。
「中小企業の管理部門のリアル」をテーマに、日々の実務で役立つ情報や考え方を発信しています。






