ブックレビュー【参謀の思考法】

2020年11月16日

私は、管理部門は経営者のサポート役として機能してこそと考えていますので、この手のタイトルの本には自然と手が伸びてしまいます。

著者の荒川詔四(あらかわ・しょうし)氏は、タイヤメーカーの株式会社ブリジストン・元代表取締役社長です。

氏の考える単なる「部下」ではなく良き「参謀」となるための姿勢や思考法についてまとめてあり、共感するところがたくさんありましたので紹介したいと思います。

氏がもともと持っていた思考法もあるのでしょうが、新卒間もない「海外赴任」時代やファイアストン社買収時の「社長秘書」時代など、厳しい業務経験のエピソードから自身が学んだことを振り返る形で書かれていますので説得力を感じました。

会社規模が違うので氏ほど大きな仕事を動かしたことはありませんが、日々の業務の中で同じような場面に出会うことはよくあると思います。

例えば、能力の低い上司・使えない部下に当たったらどう対処するか、現場の理解を得られず板挟みにあったらどう対処するか、社長に強権的に支持されたらどう対処するか、など。

どこの職場でも起こり得る場面で「参謀」と呼ばれる人ならばどう対処すべきかを説いています。

特に上司との関係性について、「能力の高い上司」「相性の良い上司」に恵まれることのほうが稀有であり、上司を「ヒト」ではなく「機関」と考えるという記述は、私もずっと感じていたことを言葉で整理してくれていて納得するところが多々ありました。

ただ出世するための処世術ではなく、仕事において実利のある考え方が書かれていると思いますので、会社組織で中間管理職を務める方にはお勧めの書籍だと思います。

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