人事担当者は今後の採用環境の悪化に備え【障害者雇用】を考えよう

2020年9月24日

1億総活躍社会

少子化による労働力人口の減少のため採用環境も厳しくなっていて、どこの企業では人材不足が問題となっていますね。

政府は「1億総活躍社会」として「若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会」の実現を目指すと掲げました。

その為、企業では定年延長や再雇用制度で高齢者を活用したり、女性が働きやすい職場づくりを進めたり、働き方改革で職場環境の改善を図ったりする動きが活発でメディアでも頻繁に取り上げられます。

とにかく育てた人材がすぐに離職することがないよう業務改善で長時間労働を是正し、テレワークなど柔軟な働き方も認め、休暇を取りやすくしてリフレッシュしてもらい、今より少ない労働力でも業務をこなせるよう社員の生産性を上げる工夫が求められています。

しかし、中小企業では大企業のように実現することが困難なことも多々ありますので、とにかく出来ることからやっていくしかありません。

そんな中で残念ながら注目度が低いのが障害者雇用だと思います。

障害者雇用のメリット・デメリット

私の現職場では障害者の方が4名(うち重度の方1名)働いていますが、皆、戦力として活躍しています。

障害者を雇ったことのない企業は、様々な不安をデメリットと感じてしまいハードルが高くなっていると思いますが、CSRにより企業価値を高めたり、働き方や組織の多様性を作ったり、業務改善のきっかけになったりと、メリットもたくさんありますので検討に値すると思います。

詳しくは私が参考にしているパーソルチャレンジの「障害者雇用のお役立ち情報」を参照してみて下さい。

採用にあたって

現職で障害者雇用を始めたきっかけは、企業規模が大きくなっていく中で法定雇用人数からの乖離が大きくなり、ハローワークからの指導を受けたことです。

当初は行政指導を回避することを目的に、地元の就労支援事業所と協力しながら精神障害者の方を1名採用しました。

雇ってみて一番感じたことは、雇う前に抱えていた不安ほどのことは全くないということでした。

障害者の方々には、障害の内容に応じて職場で「特別に配慮してほしい事項」というのがありますが、その他は健常者と何ら変わりはありませんので、どんな職場・職種でも訓練次第で就業は可能だと思います。

逆に難しいのは受入れる側の社員の教育だったり、障害に対する理解だったりします。

特に難しいのは精神障害者や知的障害者への仕事の教え方でした。

健常者と同じような教え方ではなかなか上手くいかないこともあり、当初はお互いがストレスを抱えてしまうこともありました。

そういう場合には、ハローワークに相談したり、地域の障害者職業センターから「ジョブコーチ」に支援してもらったりすると良いでしょう。

ジョブコーチは障害者が職場に適応するよう支援計画に基づいて、企業と障害者本人の間に立ち双方の相談に乗ってくれますので非常に助かります。

また、障害者を民間の就労移行支援事業所から紹介してもらえば、こちらのスタッフも双方の相談に乗っていただけます。

近隣の就労移行支援事業所は、市や県のホームページを見れば掲載されていると思いますので調べてみて下さい。下記はお勧めです。

【LITALICOワークス】

私は現在2つの就労移行支援事業所と定期的に情報交換しています。残念ながら体調不良などで就労困難となってしまう方もいらっしゃいますので、後任がすぐに見つけられるようにと情報交換を密にしています。

先方も障害者雇用に積極的な企業にはとても好意的で協力していただけますので、ハローワークに求人票を出して待つよりも、自社に合う候補者をご紹介いただけますよ。

障害者の確保も難しくなりつつある

このようにハードルが高く感じられる障害者雇用ですが、様々な支援を活用すれば人材不足を補う大きな手段となります。

最近では法定雇用率の引き上げ等もあって、障がい者においても優秀な人材は大手企業にどんどん採用されているため、中小企業では採用が難しくなり、法定雇用人数との乖離は進んでいるのではないかと思います。

乖離が大きくなれば行政指導の対象となってきますし、乖離人数分の納付金も納めなければなりません。

これから益々採用環境が厳しくなると思いますので、迷われている会社は今のうちに障害者雇用に着手することをお勧めします。

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労務,採用

Posted by M部長