新人経理担当者が初めての税務調査を受けることになったら
税務調査が来る!
経理担当者となって初めての税務調査を受けることになれば、右も左もわからないので緊張しますよね。
私は、銀行に在職時に国税局の査察(通称マルサ)も経験しましたが、事前通知なく支店に表れて「半沢直樹」の黒崎検査官なみに「指示があるまで動かないように」「勝手に電話を取らないように」「デスクとパソコンを確認するので触らないように」と言われ、ドラマみたいに高圧的な感じではありませんでしたが、指示に従わないようだと支店を閉める権限を持っていると聞かされていたので、ペーペーだったの私はめちゃくちゃビビった記憶があります。
2~3日営業室の奥の会議室を占拠され、コピー機を丸ごと奪われ、与信ファイルや契約書を大量に運び込み、誰の何を調べているのかはわからないように調査が行われました。今思えばまさにドラマさながらだったようにも思います。
調査の段取り
話は戻って、企業への税務調査はマルサと違って定期的に実施されるもので、事前に通知があり日程調整して、代表や経理責任者へのあいさつと近況のヒアリングから始まるのが一般的ですので、それほど構える必要はありません。
日頃の業務をきちんとしていれば、事前準備もそれほど負担になることはないでしょう。
顧問税理士にも連絡をして、調査期間中はどの程度対応可能かを打合せしておきましょう。困った時に連絡すればすぐに対応してもらえるようにしておけば充分です。
どうしても税理士の先生に頼りたくなる気持ちもあると思いますが、会社の中身を最も理解しているのは経理担当者ですから、焦らず落ち着いて対応していれば、先生がべったりと同席してもらう必要はありません。
調査期間中は、必要書類の閲覧を都度求められますので、すぐに対応できるよう対外的な業務は最小限にしておきましょう。場合によっては、店舗や製造現場などの見学や、現場スタッフへのヒアリング等が行われる事もありますので、税務調査が行われることを他部門の管理職には共有しておきましょう。
調査の最後の講評には顧問税理士に同席してもらって、修正申告などが必要な場合に対応してもらえるようにしましょう。
調査官も何かしら成果物が欲しいので、非常に細かい指摘をしてきますが、悪質なものでなければある程度の交渉は可能です。そのあたりの交渉は先生のほうが、経験値がありますからお願いするようにしてください。
私もこれまで4度の税務調査を経験しましたが、サイクルで言うと4年に1度ぐらいのペースですから、急に経験値を積み上げることはできません。
税務調査が来ることになったら、チャンスと思って臆することなく調査官とコミュニケーションを取り、堂々と対応するようにして下さい。その経験が必ずその後の財産となります。
ただし、聞かれたこと以上に会社の内情を話しすぎると、かえって調査官にツッコミどころを与えてしまうことにもなってしまうので、ほどほどにしておきましょう。
税務調査の落着は「細かい指摘はありましたが、大枠では問題なし」となるのが理想だと思います。