経理担当者が会社を潰さないために心がけること
会社は様々な内的要因、外的要因で業績が浮き沈みするものです。
そのような厳しい環境下においても会社を潰さずに永続させていくことが経営者の仕事でしょう。
私たちのような経理部門は、業績が好調な時にはクローズアップされることはあまりありませんが、業績が厳しい時こそ果たすべき役割はとても大きく重要です。
今まさにコロナ禍下での倒産件数が増加してきています。
今年4月から5月にかけての緊急事態宣言下の1か月の間に立ち行かなくなった会社もあったようですが、そんな短期間で立ち行かなくなる企業が思いのほか多くて驚きました。
経理担当者は日頃どのようなリスクマネジメントをしていたのでしょうか。
会社規模の大小はあるにせよ、経理担当者であれば、業績が厳しくなった時を考えて日頃から備えておかなければと感じているでしょう。
その感覚があれば、少なくとも1か月の休業で立ち行かなくなるようなことはないでしょう。
申し訳ありませんが、1か月でどうこうなってしまう会社は、コロナ禍が原因ではなく、以前から経営状態は思わしくなく風前の灯火だったということでしょう。
政府が様々な金融支援を打ち出していますが、コロナ禍で苦しんでいるが生き残ってほしい会社に資金が供給され、それ以前から死に体の会社を生き永らえさせるようなことにならないよう願います。
銀行員だった経験からも、融資による資金供給は経済が持ち直せばきちんと返済できる会社にのみ実施されてほしいと思います。計画倒産なんてされたら私たちの税金が無駄になってしまいます。
話を戻しますが、経理担当者は業績が厳しくなった時にも会社が我慢しながら継続していけるように備えておくことが重要な仕事です。
これは社長と経理担当者にしかできない仕事です。
自分の会社の売上がゼロになったとしても、どのくらいの期間なら我慢できるのかを把握しておきましょう。
取引先への支払条件の見直しや、人件費や賃料などの固定費を把握してカットできるものは何かを把握しておきましょう。
いざというときの資金調達に備え、取引銀行とは業況について情報交換を密にしておきましょう。
何より大切なのは、会社の業況を数字でいち早く経営者に提出できる体制を作っておくことです。
月次試算表を早く確認できるようにしておくことが、経営の異常を早く知ることにつながります。
これに時間がかかっているようでは、会社の状況が悪くなっていることに気づいて手を打つ前に資金ショートになってしまい倒産なんてこともあり得ます。
月次試算表の作成に時間がかかっているなら、それをまずは見直してください。
景気の悪い今こそ、経理部門の存在価値を示すチャンスです。